校長退任あいさつ

先日の令和二年度修了式で、「ありがとう」と「当たり前」について話をしました。

「ありがとう」、ありがたい、有ること難し

反対の言葉は、あることが普通、「当たり前」

多くのことを「当たり前」として過ごしてしまっている日常、ありがたいという気持ちが起こるのは、それが「当たり前」ではないことに気付いてから。

自分のまわりの様々なことが、実は「当たり前」でないことに気付き、本当の幸せ、ありがたさを感じ、感謝の思いを込めながら、「ありがとう」と言える人になってください。

このような内容でした。

生徒たちに向けてというより、大野の風土、大野高校という学校が、いかに私にとってありがたい存在であったか、退職を迎え、振り返ることでようやく気が付いた自分に言い聞かせるように話をしました。

3度目の卒業となります。

生徒として学んだ亀山の麓からの卒業。

教師として、監督として、約20年、いろんな経験、良い思い出ができた大野高校からの転勤。

そして、今、三度目の卒業となりました。

「後悔など、あろうはずがありません」

メジャーリーグ・マリナーズのイチロー選手が引退の時に言った言葉です。

退職の時に使おうと思っていましたが、振り返ると後悔だらけ、いろんな意味で、綱渡りの教員人生、紙一重の監督生活でした。

そんな自分を応援してくれた地域の人たち、支えてくれた方々、監督・先生と呼んでくれたすべての教え子たちに、今、ようやく言える言葉が「ありがとう」という言葉です。

「当たり前」が、実は「ありがたい」と気付くまでに、私は長い月日を要しました。

私を育ててくれた大野高校に「ありがとう」

応援してくれた、支えてくれたすべての方々に「ありがとう」

これからも、大野高校、「DAIKO」が、地域に愛される学校であり続けることを祈って、退任のあいさつとさせて頂きます。

ありがとうございました。

                      令和3年3月31日
                    大野高等学校 山田栄司